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先人の智慧に倣う鰹節の使い方







@おだしをとる


昔は、夜が明けるか明けないかの境目の時間、

東の空が白々と明け始めるころに、

どこの家からも菜っ切り包丁が木のまな板をたたく

トントントントンと言う音が聞こえ、

軒下には味噌汁のおだしをとる良い匂いが

流れたものでした。

その匂いに触れると

「幸せって平凡の中に隠れているんだなあ」と、

なんとなく感じたものでした。




さて、おだしのとり方 川津家流をご紹介します。


まずお湯を人数分プラス一くらい沸かします。

(どこの家族でも味噌汁は少なめのほうが有難い人と、

お代わりが出来るとそれだけで幸せになる人がいるものです)


沸騰したら火を止め、少し間をおいてから鰹節を入れます。


花咲爺さんになったようなつもりでパアーッと鍋いっぱいに、


思い切り良く振り広げます。



水面で踊っていた鰹節は三々五々沈んでゆきます。



すべてが沈み込んだら、一〜二分待ちます。


それから、やおら網杓子でかつお節を一切れ残さず引き揚げます。


これが金魚すくいのようでとても楽しいのです。


引き揚げたかつお節を、私はさっと水切りし、


砂糖と醤油でちょっと辛めに煮て朝食の一品にします。


これが梅干と合うのです。


だし汁の方は、細かく刻んでおいたねぎを散らし、味噌を溶かし込みます。


ねぎの香り、味噌の香り、だしの香りが渾然一体となって鼻腔をくすぐります。


この味噌汁を一口啜ると、二日酔いの朝でも朝食に対する意欲がもりもりと


湧き上がってきます。




A花かつおのおにぎり・・・1

  

 花かつおを小皿にとり、おに醤油を数滴たらします。


(おに醤油は岐阜にある好辛倶楽部から購入すること

も出来ますが、自分で作ることも出来ます。

自分で作るときは、香り高い生のあじめこしょうという唐辛子を

数本、あるいは生の鷹の爪と生の青唐辛子を醤油と合わせて、

ミキサーでかき回せば出来上がりです。

好みによって蜂蜜を1〜2滴隠し味にします。)



両手を氷で冷やして掌に荒塩を振り、手早く三角形に握ります。


そして三角形の真ん中に鰹節を押し込んでふたをすれば出来上がり。


握り終わったらすぐに、やけどをしないようにフウフウ風を送りながら


ほおばります。


これはうまいです!!


多分二個目が欲しくなります。



お弁当にする時には少し乾かしてから竹の皮に包みます。


・・・竹の皮が無い時は、


・・・・サランラップで包み込みます(笑)



B花かつおのおにぎり・・・2



おに醤油と合わせた花かつおを、しゃもじを使ってサッと白いごはんに合わせ、


おにぎりに結びます。梅干
4分の1ほどを中心に忍ばせておくと、


味の変化が楽しめます。これも、にぎりたてを頬張りたいものですね!!






C豆腐の薬味



 冷奴、湯豆腐の薬味に使う時に、孫はお豆腐が見えなくなるどころか、


皿からこぼれんばかりに、山のように鰹節をかけます。


「それはもったいないよ!」と妻も私も孫に注意をしていましたが、


いつの間にか私たちも山盛りにかつお節をかけるようになってしまい、


孫に注意できなくなってしまいました。


・・・・ささやかな贅沢、しかし限りない
“口福”を与えてくれます。





D非常用保存食



トレッキング(山歩き)をするときに携帯保存食として


かつお節を一本デイパックに忍ばせておくと、道に迷っても数日はしのげます。


しゃぶっていると、かつお節は軟らかくなるので、かじることが出来るのです。



我が家でも地震に備えて、非常食として数本保存しています。




(この項文責 川津 祐介)



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